公共職業訓練「パソコン基礎講座」修了後の就職活動
こんにちは、皆さん。前回は「パソコン基礎講座」の内容についてお話しました。今回は、講座修了後の就職活動について、私の経験をリアルにお伝えしたいと思います。50代での再就職の道のりは決して平坦ではありませんでしたが、得るものも大きかったです。
講座修了直後の心境
3ヶ月の講座を終えた瞬間、達成感と同時に「さあ、これからどうしよう」という不安が押し寄せてきました。スキルは身についたけれど、実際の仕事の現場で通用するのか、50代の私を雇ってくれる企業はあるのか…。そんな複雑な気持ちを抱えながら就職活動をスタートさせました。
就職支援プログラムの活用
公共職業訓練の良いところは、講座修了後も就職支援が充実していることです。私が活用した支援をご紹介します。
1. キャリアコンサルティング
訓練センターには専門のキャリアコンサルタントがいて、個別相談に乗ってくれました。私の場合、「50代でも活かせる強み」を一緒に整理してくれたことが大きな助けになりました。
- 長年の主婦経験→几帳面さ、マルチタスク能力
- PTA活動での経験→コミュニケーション能力、調整力
- 新たに身につけたPCスキル→事務処理能力
このように、自分では気づかなかった強みを言語化してもらえたことで、自信を持って面接に臨めるようになりました。
2. 履歴書・職務経歴書の書き方講座
講座修了の2週間前から、履歴書や職務経歴書の書き方講座が始まりました。特に50代の再就職では、「空白期間」をどう説明するかが重要です。
私の場合は、「家事・育児に専念していた期間も、家計管理や地域活動を通じて培った能力があります」と前向きに伝える方法を学びました。また、新しく身につけたPCスキルを具体的に記載することで、学ぶ意欲をアピールしました。
3. 模擬面接
何よりも役立ったのが模擬面接です。本番さながらの雰囲気で行われ、終了後には細かいフィードバックをもらえました。最初は緊張して上手く話せませんでしたが、回数を重ねるごとに落ち着いて自分の言葉で話せるようになりました。
よく聞かれた質問は:
- なぜこの年齢で再就職を目指すのか
- 若い方と一緒に働くことに抵抗はないか
- 今後どのようにキャリアを築きたいか
これらの質問への回答を事前に準備できたことは大きな武器になりました。
実際の就職活動
1. 求人探しの実態
ハローワークを中心に求人を探しましたが、正直なところ、「50代未経験OK」という求人は多くありませんでした。そこで取った戦略は:
- パート・アルバイトからでも良いと視野を広げる
- 小規模企業や地元企業を中心に探す
- 「未経験者歓迎」の求人に積極的に応募する
特に、「PCスキルを活かせる仕事」というくくりで探すと、医療事務や一般事務、受付など、意外と選択肢が広がりました。
2. 応募から面接までの道のり
約2ヶ月間で15社ほどに応募し、面接まで進んだのは8社程度でした。不採用の連絡をもらうたびに落ち込みましたが、「自分に合った職場に出会うまでの過程」と前向きに捉えるようにしていました。
面接では、次のポイントを意識しました:
- 50代の強み(安定感、責任感、人生経験)を具体例とともに伝える
- 新しいことを学ぶ意欲を積極的にアピールする
- 柔軟な働き方ができることを伝える
3. 採用に至った経緯
結果的に、広告業界のパートとして採用していただきました。決め手となったのは:
- 短期間で資格を取得した事が評価された
- 「几帳面さ」「正確性」という主婦としての強みが業務にマッチした
- 早番・遅番のシフトに柔軟に対応できること
面接では、訓練で作成したポートフォリオを見せたことで、「即戦力になる」と評価していただけました。
就職後の現実と成長
1. 最初の壁
実際に働き始めると、訓練とは違う現実に直面しました。特に大変だったのは:
- 実務独特の専門用語や慣習に慣れること
- 仕事のスピード感についていくこと
- 若い同僚とのコミュニケーション
最初の1ヶ月は毎日疲れ果てて帰宅し、「このまま続けられるだろうか」と不安に思うこともありました。
2. 徐々に感じた変化
しかし、3ヶ月ほど経つと少しずつ変化が現れました:
- 業務の流れを把握し、自分のペースができてきた
- 訓練で身につけたスキルを発揮できる場面が増えた
- 職場の人間関係にも慣れ、リラックスして仕事ができるようになった
50代からの就職活動で大切だったこと
1. 現実的な目標設定
最初から正社員にこだわらず、パートからでも良いと考えたことで、選択肢が広がりました。まずは「働く」という一歩を踏み出し、そこから徐々にステップアップを目指す方法が、50代には現実的だと感じています。
2. 自分の強みを再定義する
「年齢」というマイナス面ばかりに目を向けず、人生経験で培った強みを再定義することが大切でした。特に:
- 長年の家事経験→効率的な時間管理能力
- 子育て経験→忍耐力、臨機応変な対応力
- 地域活動→協調性、リーダーシップ
これらは、実は企業が求める重要なスキルでもあるのです。
3. 学び続ける姿勢
就職後も、業務に関連する資格取得に挑戦したり、独学でさらにPCスキルを磨いたりと、学び続ける姿勢を持ち続けることが大切です。
これから就職活動を始める50代の方へのメッセージ
1. 焦らず自分のペースで
就職活動は時に心が折れそうになることもあります。同期の方が先に就職が決まったときは特につらいものです。でも、焦らず自分のペースを大切にしましょう。「自分に合った職場」との出会いは、急いでも見つかりません。
2. 小さな一歩から始める勇気を
「いきなり正社員は難しいかも」と思っても、パートやアルバイトから始めることで、実務経験を積み、そこからステップアップすることも可能です。大切なのは、一歩踏み出す勇気です。
3. 仲間とのつながりを大切に
訓練で知り合った仲間との交流は、就職活動中の大きな支えになりました。情報交換だけでなく、お互いの面接結果を報告し合ったり、励まし合ったりする関係は、心の支えになります。SNSなどで連絡先を交換しておくと良いでしょう。
最後に
50代からの再就職は、決して簡単な道のりではありません。でも、公共職業訓練で身につけたスキルと、これまでの人生で培った経験は、必ず就職活動の武器になります。
私自身「また社会の一員として役立っている」という実感を得られたことは、何物にも代えがたい喜びです。皆さんも、勇気を出して一歩踏み出してみてください。新しい扉が開くことを願っています。
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